春の第九
2008年 03月 02日
若者のオケとは対照的に合唱団は中年~初老が中心の学習院OBブラームス合唱団。
独唱は、ソプラノ・緑川まり、アルト・菅有実子、テノール・井ノ上了吏、バリトン・末吉利行 各氏。指揮者は次回私たちの演奏会でも指揮をして下さる予定の新通英洋氏でした。
1曲目のシューマンは聴いたのが初めて。シューマンが30歳頃の作品だそうで、彼にとってはバラ色な時代に書かれた管弦楽曲だそうです。交響曲でもないし、表題もないし、目だった作品ではないのですが、聴いてみたら、馥郁たるゲルマンの香りに満ちた(?)素敵な曲。何年か前に演奏した交響曲第3番にも通じるようなシューマンの「原型」を感じる曲でした。年の頃からしてもこの若いオーケストラに合った曲かも。
第九は快速なテンポでスタートを切りました。
総じて贅肉がなく、すっきりとした演奏。ダイナミクスが常に強めの方に傾いて聞こえたのはホールの音響のせい?
第2楽章ではティンパニーの強弱がはっきり聞こえて素敵でした。2楽章で起こりやすいもたつきが少々発生してたものの、全体的にさわやかな仕上がりでした。
第3楽章では興奮していたオケも気分が落ち着いたのか、ダイナミックレンジの幅が大きくなり、pがとてもきれいに聞こえました。心地よい演奏のせいでしょうか、すぐ後ろの男性が盛大な寝息を立ててお休みになられて、そちらの方が気になっちゃったり。
第4楽章では最初のチェロバスが大奮闘。洋食で言うと、バターではなくて植物性マーガリン仕立てのレスタティーボ。きっと齢を重ねると重厚さも増すんでしょうね。とても清々しい演奏でした。
合唱団は期待以上に素晴らしかったです。人数の割には声量も出ていたし、音程もしっかりしていたし。特にまた男性合唱の Brüder の「R」の巻き舌がすんばらしかったなぁ。
ソリストもそれぞれに良かったです。とりわけインパクトがあったのはソプラノの緑川さん。声量も豊かなら表現も豊かで、彼女の部分だけドラマチックなイタリアオペラのアリアのようでした。
それにしても、ここのホールの音響って極端な話、誰が何を弾いているのかわかるようにクリア。きれいな音もヤヴァイ音もぜーんぶ聞こえちゃうんですねー。舞台上では周りの音があまり聞こえなかった印象だったのに、客席ではこんな露骨に聞こえちゃうとは。。恐るべしミューザ川崎。
<本日の昼食>
ミューザ川崎・鳥元
鴨南蛮