パリのマーラー
2016年 05月 20日
1911年5月、ニューヨーク滞在中に連鎖球菌の感染症で心臓を悪くしたグスタフ・マーラー。彼の容体が悪化し、ヨーロッパでの治療を望んだため、妻アルマと義母らが看護しつつ、航路でフランス・シェルブール港へ。そこから鉄道でパリに到着。すぐに感染症専門の病院に入院しました。到着翌朝、それまで要介護状態だったマーラーが、自ら身支度を整えてベランダに座っていたそうです。そのパリのマーラーが後から起きてきたアルマに語った言葉。
「いつも言ってただろう。ヨーロッパに着けばすぐに良くなるって。けさはドライブに出よう。そして2,3日休養して、旅の疲れがとれたら、二人でエジプトに行こう。」
その日、周囲が止めるのを振り切って、アルマらとブーローニュの森にドライブに出かけたマーラーは急速に容体が悪化。そのまま病院に戻り、数日後救急車でパリの駅に搬送、寝台車でウィーンへ。ウィーン到着後1週間弱で帰らぬ人となってしまいました。
このくだりを読んだ直後・・・。
エジプト行の夢を果たせぬままこの世を去ったマーラーとなんだかシンクロしちゃって、総毛立ってしまった。。