杉並のアルプス
2013年 03月 30日
客席数1190の杉並公会堂は、規模で言うと中規模タイプ。大編成のアルプスを演奏するにはちと小さいかも?おまけにオルガンもないし?と数々のギモンを胸に聴いたのですが、そんな不安も最初の金管アンサンブルの深遠から湧き上がるような音を聴いて吹っ飛びました。上岡氏はほぼ暗譜。ホールの音響を計算しつくした構成と、十分なリハーサルを伺わせる指揮で魅了してくれました。演奏終了後は長い間の沈黙。この余韻でさらに演奏の奥行きが生まれた感じ。
ただ、やはりホールが小さすぎたせいか、響きすぎな感じは否めず。強弱の幅の狭さも感じました。でも今日はオペラシティーの大ホールでの公演。本物のオルガンを使っての演奏だし、きっとこちらの方が本領発揮できるでしょう。
最後はオーケストラ各パートを立たせて賞賛。プロオケでこの光景を見たのは初めてかも。でもそれだけ指揮者のお人柄とオケとの信頼関係が伺われて、とても清々しかったです。
オープン直後から話題っていうところが情けない。
青梅街道は動かせないのに、どうしてそんなわかりきったことになったのか区民としては納得いかなかったりして(笑)。
私はこの日、前から7列目のど真ん中で聴いたので、響き、つうよりオケと指揮者の魂のエネルギーみたいなものを感じて心地よかったです。金管打楽器はちゃんと遠くに聴こえたし、バルコニーに置いたカウベルはなかなかいいアイディアだった。正にアルプス交響曲は位相の音楽ですからね。あのホールの使い方は、まだまだ探ればあるかも。
あとプログラム解説が秀逸だった。始まりと終わりが短和音である理由がビシッと分かりました。シュトラウスはある意味意地悪です(笑)
前方でどっかーん!とオケの気迫を受け止められて良かったですね!ワタシの席も金管と同じ高さだったので、モロにどっかーんと砲撃を受けた感じ。それと弦の音が1人1人聴き分けられるようなリアルな音でした。垂直方向に音の広がりを試みた配置も良かったですよね。オペラシティでもカウベルの1基は2階だったのだろうか?気になります。牧場のヤギの鳴き声がデカかったね~(^ー^)v